細やかな演出やバックグラウンドストーリーでゲストを深く楽しませてくれる東京ディズニーリゾート
一見気づかないようなところに隠されたストーリーを見つけると、何気ない風景が変わって見えるものです。
今回はそんな細やかなこだわりの中から東京ディズニーシーにあるヴィレッジ・グリーティングプレイスのとあるプロップスに焦点を当ててご紹介していきます。
かつてはダッフィーのグリーティング場所として、2022年2月現在はシェリーメイのグリーティング場所として使われているこの場所には、一体どのようなストーリーが隠されているのでしょうか?
東京ディズニーシーの左側に広がるテーマポート:アメリカンウォーターフロント。
賑やかなニューヨークエリアを通り抜けた先にあるのどかな田舎の町並み。
こちらが小さな漁村のケープコッドです。
そんなケープコッドの一角にあるこちらの建物がヴィレッジ・グリーティングプレイスです。
ここでは2022年2月現在、シェリーメイがグリーティングを行っています。
かつてはダッフィーのグリーティング場所として使われていたこともあり、施設内では様々な場所でダッフィーにまつわるプロップスを見ることができます。
今回は中でもダッフィーの可愛らしいコスチュームが展示されている「コスチュームパレード」のブースについてご紹介していきます。
それでは、早速コスチュームパレードについてご紹介していきます。
コスチュームパレードが展示されているのはヴィレッジ・グリーティングプレイスに入ってすぐのところにあるこちらの棚。
展示棚の上部に書かれている「ALGONQUIN WOOLENS」は直訳するとアルゴンキンの毛織物という意味ですが、ケープコッドに同名の工場があることから毛織物を扱うメーカー名であると推察します。
コスチュームパレードの後援企業なのでしょうか。
「アルゴンキン」というのは北アメリカの先住民族のことを指します。
ケープコッドにはアルゴンキン族の血を引く人物がいたかもしれませんね。
棚の背景には「FRIENDS OF DUFFY COSTUME PARADE」という幕が掛けられています。
直訳するとダッフィーの友達によるコスチュームパレードという意味で、ここではダッフィーのコスチュームコンテストである「コスチュームパレード」の受賞作品を見ることができます。
一体どのような作品なのか、ひとつずつ見ていきましょう。
一番右側にあるのはフリルがふんだんに盛り込まれた黒いドレスです。
余所行きにふさわしい、ドレッシーな雰囲気です。
コスチュームの手前にある紹介文にはこのように書かれています。
MISS.MERTIE PEABODY
WORKS DAYS AT HER FAMILY’S
BOOK-BINDING ENTERPRISE.
IN THE EVENINGS, SHE RELAXES BY
SEWING EXQUISITE FORMAL CLOTHING.
DUFFY’S STYLISH VELVET SUIT WOULD
BE THE ENVY OF ANY WELL-DRESSED
CAPE COD YOUTH AND IS A
PRIZE WINNING EXAMPLE OF HER WORK.
マーティー・ピーボディーさん
家族で製本企業を経営しています。
仕事が終わって夕方から衣装を縫う時間、それが彼女にとってリラックスできる時間です。
ダッフィーのスタイリッシュなベルベットスーツは、ケープコッドのオシャレな若者たちの羨望の的になるでしょう。
ベルベットスーツはフォーマルを代表するウェアのことです。
小さな村であるケープコッドでこんなにオシャレをしていたら、ダッフィーは確かに注目の的になるでしょうね。
お隣にあるのはブルーとレッドの2色で作られたニットのコスチュームです。
手編みのぬくもりを感じられる作品です。
トップスにあわせて作られた帽子とマフラーもとてもいい風合いを醸しています。
こちらも説明文を見てみましょう。
MRS.TOWNSEND SYDEBURNS
LEARNED THE ART OF KNITTING AT
HER GRANDMOTHER’S KNEE. NOW THE
YOUNG BRIDE AND HER HUSBAND SPEND
QUIET EVENINGS AT HOME WHILE SHE
PRACTICES HER KNITS AND PURLS.
DUFFY’S COMFY SWEATER SET WILL KEEP
HIM WARM ON THE COLDEST CAPE COD
MORN AND IS A PRIZE WINNING EXAMPLE OF HER WORK.
タウンゼンド・サイドバーンズ夫人
彼女は祖母の膝の上で編み物を学びました。
そんな彼女は現在新婚の夫と過ごしています。
今は皆が寝静まった夜、編み物の練習をしているそうです。
とても暖かいこのセーターセットは、寒い冬を迎えるケープコッドでもダッフィーを温めてくれることでしょう。
幼い頃から祖母が編み物をする様子を見て育ったサイドバーンズ夫人。
今は愛する人と幸せな生活を送っているようですね。
写真からも夫婦の仲睦まじい様子がうかがえます。
続いてはこちらのコスチュームです。
シンプルなデザインでありながらクラシカルで機能的な冬コートです。
丸い襟と大きなボタンがオシャレですね。
MRS.QUIMBY KINDERHOOK
IS KNOWN THROUGHOUT CAPE COD
FOR THE ARTISTRY OF HER
HAND STITCHED CLOTHING AND QUILTS.
DUFFY’S WINTER COAT-THE
FABRIC CAME FROM AN OLD PAIR OF
MR.KINDERHOOK’S TROUSERS — IS A
PRIZE WINNING EXAMPLE OF HER WORK.
クインビー・キンダーホック夫人
彼女が作る手縫いの衣装とキルトはケープコッド中の人々が知っています。
彼女は素晴らしい芸術の持ち主です。
このダッフィーのコートは昔作ったズボンの生地をリメイクして作りました。
なんとこちらの衣装は古着をリメイクして作られたそうです。
写真に写っているのはお子様でしょうか?
夫人の温かさや高い技術はきっと娘さんにも受け継がれるのでしょうね。
最後にご紹介するのは胸元の大きなリボンが目を引くこちらのコスチュームです。
カッチリした服にちょっとした遊び心をプラスした、都会のオシャレさんが着ていそうな衣装ですね。
説明文を解読してみましょう。
MRS. CLIFTON TATTERSMACK
IS THE NOTED INSTRUCTOR OF
ARCHERY AND SEWING SKILLS AT THE
CAPE COD FEMALE SEMINARY.
SHE ASSUREDLY HITS THE TARGET
WITH DUFFY’S STURDY
NORFOLK JACKET. IT IS IS A
PRIZE WINNING EXAMPLE OF HER WORK.
クリフトン・タッタースマック夫人
彼女はケープコッドの女性神学校においてアーチェーリー技術と裁縫スキルが高いと有名な著名インストラクターです。
彼女の作った頑丈なノーフォークジャケットは確実にヒットするでしょう。
女性神学校は女性の学術教育を支援するための学校で、女性向けの教育機関が不足していた19世紀から20世紀初頭に見られました。
女性進出の先駆けであったこの時代、そんな中で働く彼女だからこそ不易なものに捉われず目新しいオシャレな衣装を思いついたのかもしれませんね。
東京ディズニーシーのヴィレッジ・グリーティングプレイスで見ることができるダッフィーのコスチュームパレードについてご紹介しました。
どれもグッズ化して欲しいほど可愛らしく凝ったコスチュームでしたね。
皆さんのお気に入りはありましたか?
作者のエピソードからもケープコッドの住人たちの温かさが伝わってくるような素敵なプロップスでした。
ケープコッドにはこのような心がほっこりするようなプロップスが数多く隠されていますので、ぜひそんなポイントを探して歩いてみてください。
それでは、よい旅を!