今回は東京ディズニーシーの人気アトラクション「センター・オブ・ジ・アース」にまつわるバックグラウンドストーリーのお話です。
センター・オブ・ジ・アースに乗ったことがある方はご存知だと思いますが、ゲストは地底世界を探検中に火山活動に巻き込まれてしまいます。
予想外の出来事のように演出されていますが、実はこれにはある理由が隠されていたのです。
背景を知れば、アトラクションに乗るのが今までよりもっと楽しくなるかもしれません。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
センター・オブ・ジ・アースは2001年9月4日の東京ディズニーシーのグランドオープンと同時にオープンした絶叫系アトラクションです。
世界のディズニーパークの中でもセンター・オブ・ジ・アースがあるのは東京ディズニーシーだけということから、国内のみならず世界中のファンから人気を集めています。
本題に入る前に、アトラクションのストーリーを簡単におさらいしておきましょう。
ゲストは地底走行車に乗ってネモ船長が発見した「地底世界」を巡るツアーに参加し、様々な世界を探検して回ります。
しかし突然火山活動が発生し、ゲストはネモ船長も未だ到達していない未知の世界に迷い込んでしまいます。
そして迷い込んだ先で巨大な怪物ラーヴァモンスターに襲われそうになったその瞬間、プロメテウス火山が大噴火!
地底走行車は火道を急上昇し、噴火口から放り投げ出される形で無事に生還するというお話です。
ここからは、なぜ地底走行車が火山活動に巻き込まれることになってしまったのかというお話をご紹介していきます。
ゲストはテラヴェーターで地下800mまで降りた後、スロープを下って地底走行車の乗り場であるベース・ステーションへ向かいます。
注目していただきたいのは、スロープの途中にあるこちらの装置。
伝声管が取り付けられているこちらの装置はコミュニケーションセンター。
地底世界の様々な場所にいるクルーたちと連絡を取り合っているのです。
コーヒーカップとメモが置かれていますが、クルーはいません。
担当のクルーは現在席を外しているようです。
クルー不在の中、伝声管からはこのような音声が聞こえています。
ベース・ステーション、こちら水晶の洞窟では若干の被害が発生。現在活動はおさまったようですが引き続き監視します。
ベース・ステーション、報告します。ここ風のトンネルでは現在激しい火山……活動を感じられます。状況が落ち着くまで出発は……延期した方がいいと思われます。指示を待ちます。
ベース・ステーション、巨大キノコの森は異常ありません。
こちら水晶の洞窟。どうやら火山活動はおさまったものと思われます。
こちら大聖堂。こちらの観測所ではほとんどの振動が計測されていません。ですが十分警戒して出発させてください。
こちら黒曜石の滝。火山活動はおさまった模様です。
ベース・ステーションですか?こちらは風のトンネル。こちらの観測所では非常に活発な……火山活動が感じられます。火山活動が終わるまで出発は……中止した方がいいと思います。指示を待ちます。
ベース・ステーション!ベース・ステーション!応答願います!
ベース・ステーション、現在ここ風のトンネルでは依然とした……大規模な火山活動を感じています。しばらくの間……すべての科学者を待機させてください。聞こえてますか?
ベース・ステーション、ここ火の湖は異常なし。今回報告すべき振動はほとんど起こっていません。
こちら巨大キノコの森。特に報告すべき火山活動は発生していません
こちら風のトンネル。今回の火山活動は相当な規模です。指示を待ちます。ベース・ステーション、聞こえていますか!
風のトンネルにいるクルーが必死に火山活動の発生を知らせていますが、ベース・ステーションにクルーがいないので危険が伝わりません。
その間にも乗り場からは地底走行車が次々と出発していきます。
なんとも危険な状態です…!
アトラクションで「火山活動発生!」というアナウンスと共にコースを外れてしまう場所は、風のトンネルのすぐ手前。
風のトンネルのクルーの指示を聞いていれば、私たちが危険なツアーに出ることはなかったのです。
これから乗車する際は、ぜひコミュニケーションセンターの音声にも耳を傾けてみてください。
センター・オブ・ジ・アースでゲストが火山活動に巻き込まれる理由についてのお話でした。
乗り場や降り場のクルーたちは火山活動が発生していることを知らないので、ゲストは通常のコースを探検していると思っているようです。
コミュニケーションセンター付近で立ち止まった際は、ぜひ会話に耳を傾けてみてください。
ところで、ベース・ステーションのクルーはいつ戻ってくるのでしょうかね…。
それでは、よい冒険を!