「夢と魔法の王国」の東京ディズニーランドと、「冒険とイマジネーションの海へ」をテーマにした東京ディズニーシー。
東京ディズニーリゾートは「夢の国」と称されるように、現実から離れ夢の世界にいるような雰囲気を楽しむことができますよね。
そんな「夢の国」を造り上げるためには、様々な工夫や緻密な計算がたくさん盛り込まれています。
今回は中でも東京ディズニーシーのマーメイドラグーンの建物に隠された秘密について掘り下げてご紹介していきたいと思います。
少々現実味のあるお話になりますが、ディズニーの素敵なこだわりを感じられる内容となっておりますので、ディズニーの裏側や豆知識にご興味のある方はぜひご覧ください。
本記事は現実的な内容を含むお話になります。
東京ディズニーシーのエリアのひとつであるマーメイドラグーンは、東京ディズニーリゾートで唯一屋内をメインとしたテーマポートです。
屋内は空調が完備されており夏や冬、雨天時などは特に快適に過ごすことができるため大人気のエリアとなっています。
マーメイドラグーンはディズニー映画「リトル・マーメイド」のその後の世界をテーマにしており、エリアのあちらこちらで映画の世界観を体験できる仕掛けや演出の工夫がなされています。
また、映画を見てからパークに行くとより世界観を堪能することができるのでおすすめです。
まだご覧になってない方はぜひ見てみてください。
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マーメイドラグーンはふたつのエリアに分けることができます。
陸の世界を再現したアバブ・ザ・シーと海の中の世界を再現したアンダー・ザ・シーです。
ここからはアンダー・ザ・シーがある屋内エリアについての豆知識をご紹介していきます。
それでは早速見ていきましょう。
アンダー・ザ・シーに行くためにはキング・トリトン・キャッスル(お城)内のスロープを降っていきますよね。
そのため、誰もが自然にアンダー・ザ・シーは地下にあると思い込んでしまうでしょう。
ですが、実はアンダー・ザ・シーがあるのは地下ではありません。
アンダー・ザ・シーは地上一階に位置しています。
Googleマップでマーメイドラグーンを見てみると、その様子がよく分かります。
アンダー・ザ・シーがあるであろう場所には大きな白い建物が建っているのが確認できます。
実はこの場所には2階建ての平ビルが建っているのです。
もちろんパーク内からは見えないように作られているので、ゲストは全く気付きません。
まさかパークのど真ん中にこのような無機質なビルが建っているとは、普通想像できませんよね。
ところで、東京ディズニーシーには坂や階段が多いと思いませんか?
ソアリン:ファンタスティック・フライトの前やポートディスカバリーからロストリバーデルタに向かう道etc…
入り口から奥に行くにつれて、徐々に高くなっているのです。
しかし、川を渡った先のロストリバーデルタは高くありません。
その証拠に、橋を渡った後に階段を降りますよね。
なぜこのような作りになっているのでしょうか。
実は、東京ディズニーシーの地表がこのような構造になっているのはマーメイドラグーンのためなのです。
マーメイドラグーンの平ビルが建っているのは、地上1階です。
1階をアンダー・ザ・シー(海底)にするためには、必然的にアバブ・ザ・シー(陸地)の部分は2階以上にしなければいけません。
マーメイドラグーンの周辺だけを高地にすることもできたと思いますが、それではアンダー・ザ・シーの深さにゲストが違和感を感じてしまうかもしれません。
そこで他のエリアも巻き込み、徐々に高さを調整していったということです。
そのために東京ディズニーシーは東京ディズニーランドに比べて階段や坂道が多い構造になったのです。
あくまでもさり気なく高さを合わせることで、ゲストに違和感を感じさせないよう工夫がされているのですね。
細部までこだわり抜かれた配慮はさすがディズニーといったところでしょうか。
さて、ここで先ほどのGoogleマップをもう一度見てみましょう。
平ビルの周辺に大きな道路が通っていることが確認できます。
東京ディズニーシーを横断するように道路が敷かれているなんて、普通は想像できませんよね。
ここからは道路の役割や秘密についても見ていきましょう。
平ビルに続く道路はオリエンタルランドの敷地から通じており、パーク内で使用する物資や商品などを運搬するために使われています。
東京ディズニーランドに地下通路があることは有名な話ですよね。
ですが東京ディズニーシーは敷地の多くを海が占めているため、地下通路を作るのは困難でした。
そこで運搬経路として、ど真ん中に道路とビルを配置することになったのです。
道路は当然、大型のトラックなども通ります。
マップを見ても分かる通り、道路はミステリアスアイランドとマーメイドラグーンの境目やポートディスカバリーのすぐ裏など、ゲストが行き来する場所のすぐ近くを通っています。
特にミステリアスアイランドとマーメイドラグーンの境目は、道路の真下をゲストが通行する構造になっています。
そのままではトラックの走行音が聞こえてしまいそうですよね。
ですが実際にこの場所を通ってみると、もちろんトラックの音は聞こえません。
その代わりに、大きな滝の音が聞こえます。
実は東京ディズニーリゾートには数多くの滝が存在しますが、その多くがエリアとエリアの境目に位置しています。
パークではエリアごとに異なるBGMが流れていますが、エリアの境目ではふたつのエリアミュージックの音が重なって聞こえてしまう恐れがあります。
そこでエリアの境目に滝を設置することで、BGMを水の音で遮断しているのです。
この場所もミステリアスアイランドとマーメイドラグーンの境目です。
こちらにある滝もちろん、エリアミュージックが重なって聞こえないようにする役割を持っています。
ですがおそらくそれだけではなく、真上を通る道路の音をかき消す役割も担っているのでしょう。
パーク内でトラックの音が聞こえてしまっては、楽しい雰囲気が台無しですよね。
もしトラックの走行音や作業音が聞こえてしまったら、現実を感じて幻滅してしまいそうです。
ミステリアスアイランドとマーメイドラグーンの境目の滝は、パークから現実味を隠す意味合いもあったのです。
ディズニーらしい粋な配慮ですよね。
最後に、マーメイドラグーンは他のエリアに比べて狭いイメージがありませんか?
そう感じる原因はパークの地図にあります。
過去に園内で配布していたガイドマップ(※)や公式アプリの地図を見ると、マーメイドラグーンの半分ほどが森のイラストになっているのです。
※新型コロナウイルスの影響により、2021年1月現在ガイドマップの配布を中止しています。
森が描かれている場所には先述した平ビルが建っています。
当然ビルのイラストなど載せるわけにはいかず、地図上では木々があるように描かれているのです。
ですが実際は森の部分もアンダー・ザ・シーなので、マーメイドラグーンは地図で見るよりもずっと広いエリアになっているというわけです。
マーメイドラグーンの建物に隠された豆知識のご紹介でした。
東京ディズニーシーのど真ん中にあれだけ大きなビルと道路があるなんて驚きですよね。
ですが、あのビルと道路のお陰でパーク内の業務が円滑に行われているのです。
今回はいつもと一味違った切り口のお話でしたが、お楽しみいただけたでしょうか?
それでは、よい冒険を!