東京ディズニーシーの人気アトラクション「タワー・オブ・テラー」。
アトラクションだけでなく付随するストーリーや演出も怖いことから、東京ディズニーリゾート最恐アトラクションとも言われています。
今回はアトラクション本編ではなく、タワー・オブ・テラーがある建物「ホテル・ハイタワー」の造りに目を向けて考察していきたいと思います。
建物の外観にもハイタワー三世らしいこだわりが盛り込まれており、彼の人となりを感じられるポイントが数多く隠されています。
少々マニアックな内容となりますが、豆知識がお好きな方には楽しんでいただけると思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
現在タワー・オブ・テラーがある建物はかつて、ホテル・ハイタワーというホテルでした。
ホテル・ハイタワーのオーナーは皆さんご存知ハリソン・ハイタワー三世。
彼は世界中の骨董品や美術品を強奪し、ホテル内に飾っていました。
1886年、ハイタワー三世はロシアの有名な建築家オスカー・キルノフスキーに設計と建築を依頼します。
ですがハイタワー三世はオスカーの上品なデザインが気に入らず、建築途中で突然彼を解雇します。
その後ハイタワー三世は好き勝手なデザインに変更していったため、現在の独特な建物が出来上がったのです。
ちなみにホテル前の掲示板にハイタワー三世とオスカー・キルフスキーが写った写真が載っています。
左からハイタワー三世、オスカー・キルノフスキー、現場監督のジョー・コブです。
それでは、ここからハイタワー三世のこだわりが垣間見れる建物の秘密に迫っていきたいと思います。
ホテル・ハイタワーは大きく分けて4つのセクションから構成されています。
ハイタワー三世が探検してきた様々な国の建築様式を取り入れて造られたため、他にはない独特な構造をしているのです。
はじめにご紹介するのは、アトラクションの入り口にもなっている中央部分。
この場所には元々ハイタワー家の大邸宅がありました。
大邸宅は改築によりホテルのメインエントランスに生まれ変わりました。
主にゴシック&ビクトリア様式を取り入れた建築様式で、豪華で緻密なデザインをしています。
館内にはロビーの他、レストランやプライベートオフィス、会員制のクラブなどがあります。
向かって左側にある部分が8階建てのインディアンタワーです。
建築様式にはインドのムガール様式を取り入れました。
インディアンタワーに隣接する「インドの庭園」にはハイタワー三世がインドから持ち帰った様々な石像が飾られています。
タワー内にはコンゴ河探検帰還パーティーが開かれたアトランティス・ボールルームやゲストルームがあります。
タワーの屋上には「太陽の庭園」と呼ばれる庭園があるのですが、朽ち果てた状態で放置されているため立ち入り禁止となっています。
インディアンタワーはタワー・オブ・テラーのツアーで唯一入ることのできない建物です。
ところで、グレートタワーの左側にある赤いレンガと白い花崗岩を交互に積んだ造り、どこかで見たことがあると思いませんか?
正解は…
東京駅です。
グレイトタワーの塔と東京駅はどちらも、イギリスで流行したクイーン・アン様式に倣って造られました。
驚きの共通点ですね。
向かって右側にある部分が5階建てのカリフスタワーです。
タワー・オブ・テラー乗車後に通るお土産屋さん「タワー・オブ・テラー・メモラビリア」のある建物で、他にはサンルームやスイートルールがあります。
ここではイスラム様式が用いられており、スイートルームもイスラム調なんだとか。
このタワー部分は他の建物と違う色合いをしています。
建物の最奥にあるのがグレートタワー。
ハイタワー三世の部屋とスイートルームがあり、建築にはビクトリア様式が用いられました。
こちらのグレートタワー、左右に出っ張った不思議な形をしていますよね。
これには訳があるのです。
というのも、建物の完成間近にハイタワー三世が突如「私の部屋が狭い!もっと広くしろ!」と注文をつけたことによって増築されたんだとか。
片方だけ出っ張っているのはおかしいので、反対側も増築され現在の形が出来上がりました。
傲慢なハイタワー三世らしいエピソードですよね。
ちなみに、三連アーチの窓にはハイタワー三世の顔が刻まれています。
こんなところにも彼の自己顕示欲の強さが表れています。
おわりに、ちょっとした小噺をご紹介します。
グレートタワーの三連アーチ窓には折れた梁があるのですが…
実はこちら、トリックアートのように描かれているだけで実際は折れていないんです!
肉眼で確認するのは中々難しいかもしれませんが、興味のある方はぜひ見てみてください。
ハイタワー三世のこだわりがつまったホテル・ハイタワーの建築にまつわる豆知識のご紹介でした。
タワー・オブ・テラーのツアーに参加するときは、ぜひ建物にも目を向けてみてください。
豪華絢爛な建物ながら、よく見ると世界観が複雑で見応えありますよ!
それでは、よい冒険を!