東京ディズニーランドのアドベンチャアーランドにある「ウエスタンリバー鉄道」は、蒸気機関車に乗って熱帯ジャングルや開拓時代のアメリカ西部を旅するアトラクションです。
乗車時間はおよそ15分と長く、ゆったりとした雰囲気で楽しむことができるため、休憩がてらに乗るという方も多いのではないでしょうか。
そんな幅広いゲストから人気を集めるウエスタンリバー鉄道ですが、実はアトラクション乗車中にバックステージの道路が見える場所があります。
今回は道路の場所やそこに隠された秘密について掘り下げてご紹介していきます。
少々現実味のあるお話ですが、ディズニーらしいこだわりを感じられる素敵な内容となっています。
ぜひ最後までご覧くださいませ。
ウエスタンリバー鉄道があるのは「冒険とロマンの世界」を表現したテーマポート:アドベンチャーランド。
ジャングルクルーズの乗り場と同じ建物の2階に位置しています。
ウエスタンリバー鉄道はこちらの駅を出発し、アドベンチャーランド、ウエスタンランド、クリッターカントリー、そして再びウエスタンランドを経由して戻ってきます。
乗車中は様々な建物や動物、先住民たちを見て楽しめますよ。
アトラクションの乗車口がアドベンチャーランドにあるにも関わらず「ウエスタン」と名付けられているのは、走行するメインのエリアがウエスタンランドのためです。
ちょっと紛らわしいかもしれませんね。
そんなウエスタンリバー鉄道ですが、実はアトラクションの途中で道路と交差している場所があることをご存知ですか?
しかも、その道路は物資や商品の運搬などで使う「バックステージ」用の道路なのです。
それは一体どこなのか、早速見ていきましょう。
ウエスタンリバー鉄道はアドベンチャーランドを出発した後、まずウエスタンランドへと入っていきます。
道路が敷かれている場所は、このウエスタンランドにあります。
道路が敷かれている場所は、出発して最初に通る駅「スティルウォーター・ジャンクション」のすぐ手前。
スティルウォーター・ジャンクションは赤い壁が目印の小さな駅です。
この駅の手前を見てみると…。
唐突に道路が現れました!
車がすれ違いできるほどの幅があるこちらの道路は、パーク内で使用する物資や商品などを運搬するために使われているバックステージ用の道路です。
左側にはカーブミラーがあることも確認できます。
さらに、反対側を見てみましょう。
線路を挟んだ向かい側(向かって左側)にも道路が敷かれています!
こちらはカーブミラーだけでなく、踏切のバーもあります。
写真を拡大してみると、カーブミラーには信号、横断歩道、そして停車している車の姿も写っています。
アトラクション内にこんなにも堂々と道路が敷かれているとは驚きですよね。
しかし、この道路の存在を知っている人は少ないです。
普通に見えてしまう場所でありながら、なぜその存在に気づかないのでしょうか。
その理由を紐解いていきましょう。
ウエスタンリバー鉄道では、乗車中に見所を解説する車内アナウンスが流れます。
道路の存在に気づかないからくりには、このアナウンスが深く関わっています。
というのも、この道路に差し掛かる直前、このようなアナウンスが入るのです。
「右手にある小さい駅はスティルウォーター・ジャンクションと言います。
開拓者たちはここで蒸気船や駅馬車に乗り換えると、フロンティアを目指してさらに旅を続けるんですよ」
このアナウンスを聞けば、自然とスティルウォーター・ジャンクションに注目しますよね。
道路を通過するタイミングで駅舎へと注目を集めることで、ゲストの視線を誘導しているのです。
ウエスタンリバー鉄道ではアナウンスによって視線を誘導している場所がもう一箇所あります。
それは、スティルウォータージャンクションを通過してからしばらくして大きな右カーブを過ぎた辺り。
ここで入るアナウンスはこちら。
「右手にいるリスみたいな小さな動物。
あいつはプレーリードッグと言って、西部ではあちこちで見かけるんですよ」
ゲストが右側にいるプレーリードッグに注目しているとき、左側にあるのは…
電車の引き込み線です。
実はこの先には電車を格納する車庫があるのです。
先にご紹介した道路同様、現実味のあるものから視線を外すように促すことで現実世界を遠ざけているのです。
ちなみに、これらの位置関係はGoogle Mapで見てみるとわかりやすいです。
左上に交差する道路、左下に分岐する線路があります。
そして、分岐した線路はその先の車庫まで続いていることが確認できます。
ただ単に隠すのではなく、視線を誘導することでさり気なく隠すというところに世界観を大切にするディズニーらしさを感じますね。
今回はウエスタンリバー鉄道に焦点を当ててお話しましたが、視線の誘導で見せたくないものを隠すという方法は他のアトラクションにも使われています。
そのひとつが、ウエスタンリバー鉄道に隣接するアメリカ河を運行する蒸気船マークトウェイン号です。
マークトウェイン号でもガイド役のアナウンスが流れるのですが、その案内によって視線を誘導している場所があるのです。
それはウエスタンリバー鉄道と同じく、格納庫へと続く別の道との分岐点です。
Google Mapで見てみると、ウエスタンリバー鉄道を横断する道路とマークトウェイン号の格納場所はつながっていることが分かります。
パークには他にもこのような「誘導」が使われている場所が多々あります。
そんな仕掛けを探しながら遊んでみるのも、楽しみ方のひとつかもしれません。
ウエスタンリバー鉄道に隠された「現実世界」を隠すためのテクニックとこだわりについてのご紹介でした。
パークが世界観をとても大切にし、現実世界をなるべく遠ざけようと様々な工夫をしている様子が垣間見れたのではないでしょうか。
普段は気づかないようなポイントですが、あえてそういったところに目を向けてディズニーのこだわりの深さを感じてみるのも楽しいですよ。
それでは、よい冒険を!