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【豆知識】タワー・オブ・テラーとセンター・オブ・ジ・アースの意外な共通点とは

タワー・オブ・テラーとセンター・オブ・ジ・アースの意外な共通点

東京ディズニーシーで人気を二分する絶叫系アトラクションといえばタワー・オブ・テラーセンター・オブ・ジ・アースです。

タワー・オブ・テラーはフリーフォール、センター・オブ・ジ・アースはTDR最速と、どちらも東京ディズニーリゾート唯一無二の特徴を持ったアトラクションです。

   

そんなふたつのアトラクションには、意外な共通点があることをご存知でしょうか?

その共通点とは、アトラクション乗車後にキャスト(クルー)が笑顔で迎えてくれること。

   

「当たり前じゃない?」と思うかもしれませんが、アトラクションの内容を掘り下げてみると実は深い理由が隠されているのです。

今回はそれぞれのバックグラウンドストーリーを踏まえ、乗車後に笑顔で迎え入れられる理由について考察していきたいと思います。

もくじ

アトラクションの内容

本題に入る前に、タワー・オブ・テラーとセンター・オブ・ジ・アースのアトラクション内容についておさらいしたいと思います。

タワー・オブ・テラーについて

アトラクションがあるのは20世紀初頭のアメリカを舞台にしたテーマポート:アメリカンウォーターフロント。

東京ディズニーリゾート初のフリーフォールタイプのアトラクションとして、2006年9月4日にオープンしました。

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所要時間:約2分(プレショー含まず)

定員:22名/1台

ライドショット:あり

建物の高さ:59m

最高到達地点:38m

ライドの怖さはもちろんのこと、ストーリーや演出もかなりリアルで恐怖を煽る内容となっているため東京ディズニーリゾート最恐アトラクションとも言われています。

ストーリー

現在タワー・オブ・テラーがあるのこの場所には、かつて大富豪のハリソン・ハイタワー三世がオーナーを務めていたホテル・ハイタワーがありました。

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彼は世界中を旅しては価値のある骨董品や美術品を強奪し、ホテル内のあちらこちらに飾っていました。

   

あるときハイタワー三世はアフリカのコンゴ川流域に住む部族ムトゥンドゥ族からシリキ・ウトゥンドゥという奇妙な偶像を強奪します。

しかし、彼はその後シリキの「呪い」によって不可思議な失踪を遂げたのです。

   

時は流れ1912年。

ニューヨーク市保存協会は廃墟と化したホテルの改修工事を実施し、数々のコレクションを巡る見学ツアーを開催することにしました。

   

ゲストたちはこのツアーに参加し、ハイタワーのコレクションを見学した後に業務用のエレベーターでハイタワー三世の部屋に向かいます。

そこで起こる予想外の出来事とは…?

キャストはニューヨーク市保存協会の職員

タワー・オブ・テラーのキャストはストーリー上、タワー・オブ・テラーのツアーを主催しているニューヨーク市保存協会の職員ということになっています。

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コスチュームはネイビーを基調としたシンプルかつクラシカルなデザイン。

胸元にはニューヨーク市保存協会(New York City Preservation Society)の略語である「N.Y.C.P S」のロゴがデザインされています。

センター・オブ・ジ・アースについて

一方でセンター・オブ・ジ・アースがあるのは1873年の南太平洋に浮かぶ火山島を舞台にしたテーマポート:ミステリアスアイランドです。

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所要時間:約3分

定員:6名

最高速度:75km/h

最高斜度:45度

アトラクションの目玉はなんと言ってもクライマックスの急上昇からの急降下。

上昇時のスピードはおよそ75km/hで、東京ディズニーリゾート最速を誇ります。

ストーリー

アトラクションの舞台はプロメテウス火山の地底。

ここではかの有名なネモ船長が発見した地底世界を探検するツアーが開催されています。


ゲストは地底走行車に乗り込み、地底探検ツアーへ。

水晶の洞窟や発光生物のトンネル、巨大キノコの森など奇妙で神秘的な世界をゆっくりと探索しながら進んでいきます。

   

すると突然「火山活動発生!火山活動発生!」というアナウンスが流れ、岩が崩れる轟音とともにツアーの通路が塞がれてしまいました。

地底走行車はネモ船長もまだ到達していない未知の世界に迷い込み、巨大な卵がたくさん産み付けられている洞窟や嵐が吹き荒れる不気味な地底の海へ迷い込んでしまいます。

   

さらには、突如目の前に巨大な怪物ラーヴァモンスターが出現!

そして地底走行車が襲われそうになった直後、プロメテウス火山が大噴火します。

   

地底走行車は火道を急上昇し、噴火口から放り投げられるように落下します。

果たして無事に帰ってくることはできるのでしょうか?

クルーはネモ船長の潜水艦の乗組員

東京ディズニーリゾートで働くスタッフのことは一般的にキャストと呼びますが、ミステリアスアイランドではクルーと呼びます。

これはミステリアスアイランドのキャストは潜水艦ノーチラス号の乗組員というバックグラウンドストーリーがあるためです。

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コスチュームはグリーンとボルドーのバイカラーデザイン。

帽子にはネモ船長のイニシャルである「N」のロゴが入っています。

   

ミステリアスアイランドではあいさつも特徴的で、「モビリス!」と言われたら「モビリ!」と返すのがお決まりです。

クルーを見かけたらぜひ左手を右肩に当てて「N」の文字を作り、「モビリス!」と声を掛けてみましょう。

共通点はゲストしか知らない○○?

アトラクション概要のおさらいをしたところで、ここからタワー・オブ・テラーとセンター・オブ・ジ・アースの意外な共通点について掘り下げていきたいと思います。

   

共通点はアトラクション乗車後にキャスト/クルーが笑顔でお出迎えしてくれること。

笑顔で「おかえりなさーい!」と言われる光景は他のアトラクションでも見られるのですが、アトラクションのストーリーを考えるとちょっとおかしいのです。

   

というのも、タワー・オブ・テラーはシリキ・ウトゥンドゥの呪いで恐怖体験をし、センター・オブ・ジ・アースでは未知の怪物ラーヴァモンスターに襲われそうになります。

そんな怖い思いをして帰ってきたのにも関わらず、キャストやクルーは一切心配することなく笑顔で迎え入れます

   

「やっとの思いで生還したんだから、少しは心配してよ!」と思いませんか?

しかしこれには、深い意味が隠されているのです。

タワー・オブ・テラーの場合

まずはタワー・オブ・テラーの場合について考察していきます。

キャストはシリキの呪いを知らない

先にもお話した通り、タワー・オブ・テラーのキャストは皆ニューヨーク市保存協会の職員です。

   

ニューヨーク市保存協会は歴史的建造物であるホテル・ハイタワーを残存し、ホテルやコレクションの価値を周知するためにツアーを開催しています。

キャストたちはあくまでも見学ツアーの職員。

   

そのため私たちゲストがシリキの呪いにかかること、ましてやエレベーターが落下するなどとは端から思っていないのです。

シリキの呪いと遭遇しないための細やかな演出

タワー・オブ・テラーではキャストがシリキの呪いと遭遇していないことを裏付ける数々の言動が見られます。

   

タワー・オブ・テラーは以下の流れでアトラクションが進んでいきます。

  • 小部屋でシリキ・ウトゥンドゥの説明を聞く
  • 蓄音機の部屋でプレショーを見る
  • 秘密の倉庫を見学
  • 業務用エレベーターでハイタワー三世の部屋へ

中でも注目していただきたいのは②蓄音機の部屋でのキャストさんの動き。

   

蓄音機の部屋ではハイタワー三世の失踪当日に行われた記者会見の録音を聞くのですが、途中で突然稲妻が光り、どこからかハイタワー三世の忠告の声が聞こえてきます。

   

「シリキウトゥンドゥの呪いは本物だ。これ以上先に行ってはならん…(以下略)」というシーンです。

プレショーを見ているゲストはここで「あれ?様子が変だな?」と思うわけですが、キャストはこの映像を見ていません

   

キャストはゲストを部屋に通し蓄音機を回すとすぐに退出します。

そのため、記者会見の録音が途中でジャックされハイタワー三世の忠告が流れること、そしてシリキ・ウトゥンドゥが消えることを知らないのです。

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アトラクション降車後に笑顔で「おかえりなさーい!」と迎えられるのは、予定通りのツアーを終えて帰ってきたと思っているからなのです。

   

キャストがシリキの呪いを知らないということは、数々の言動からも見てとることができます。

たとえば
  • プレショー後に案内するキャストは部屋に入らない = シリキが消えたことを知らない
  • 出発時も笑顔で「いってらっしゃい!」
  • 怖いか尋ねると「安全なツアーを決行していますよ!」と言う
  • エレベーターでは落下すると言わず「強い風が吹くことがあります」と案内

何気ない言動ですが、これも物語に忠実なディズニーの演出のひとつなのですね。

センター・オブ・ジ・アースの場合

続いてセンター・オブ・ジ・アースの場合についても見ていきます。

クルーはラーヴァモンスターの存在を知らない

センター・オブ・ジ・アースではアトラクション出発後、しばらく美しい地底世界を巡ります。

しかし途中で突然「火山活動発生!」というアナウンスが入り、不気味な世界へ迷い込んでいきます。

   

実はこのとき、ライドは本来の見学コースを外れてしまうのです。

その証拠に、アナウンスの後右側にもうひとつ別の道があることが確認できます

この道が本来の見学コースです。

   

突然の火山活動によって雷が鳴り響く世界やラーヴァモンスターの姿を目撃することになるため、タワー・オブ・テラーと同様クルーたちはゲストが危険な目に遭っていることを知りません

だからこそ、アトラクションの出口ではいつも笑顔で迎え入れてくれるのです。

   

そして実は、ラーヴァモンスターの存在は公式から明言されていません

公式サイトや公式You Tube、ガイドブックなどどれを見てもラーヴァモンスターの姿は載っていないのです。

アトラクションに乗ったことがある方であれば誰もが知っている怪物の姿ですが、私たちはとてもレアな体験をしているのですね。

私たちが火山活動に巻き込まれる理由

私たちは一体なぜ不運にも突然火山活動に巻き込まれることになってしまったのでしょうか。

これは単なる偶然ではないかもしれません。

   

注目していただきたいのはアトラクションに乗る前に通るQライン(待ち列)にあるコミュニケーションセンターと呼ばれる装置。

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地底世界の様々な場所にいるクルーたちと連絡を取り合うための装置で、伝声管からはクルーたちの報告が聞こえます。

席にはコーヒーカップとメモが置かれていますが、クルーの姿は見当たりません。

どうやらちょっと席を外しているようです。

   

伝声管から聞こえる報告はほとんどが問題なしという内容なのですが、中にはこのような声も…。

こちらは風のトンネル。
こちらの観測所では非常に活発な……火山活動が感じられます。
火山活動が終わるまで出発は……中止した方がいいと思います。
指示を待ちます。

「こちら風のトンネル。
今回の火山活動は相当な規模です。
指示を待ちます。
ベース・ステーション、聞こえていますか!」

風のトンネルのクルーが必死に呼びかけています。

ですがこの報告は乗り場のクルーに届かず、地底走行車は次々と発車していきます

このままではかなり危険な状態…!

   

アトラクションで「火山活動発生!」というアナウンスと共にコースを外れてしまう場所は、風のトンネルのすぐ手前。

つまり、私たちが不運にも火山活動に巻き込まれラーヴァモンスターに遭遇することになるのは、コミュニケーションセンターのクルーが不在だったからということになります。

   

ネモ船長やクルーたちも知らないラーヴァモンスターの姿。

クルーさんにラーヴァモンスターを見たことを伝えたら、驚かれるかもしれませんよ。

おわりに

東京ディズニーシーの人気アトラクションタワー・オブ・テラーとセンター・オブ・ジ・アースの意外な共通点についてのご紹介でした。

   

共通点はどちらもゲストが危険な目に遭っていることを知らずに笑顔で迎え入れてくれること。

こうした裏話を知ると、アトラクションが今まで以上に深く楽しめるかもしれません。

乗車する際はぜひ「知らない」というこだわりを持ったキャストやクルーの言動にも注目してみてください。

   

それでは、よい冒険を!

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