雰囲気の異なる様々なテーマポートで私たちを楽しませてくれる東京ディズニーリゾート。
テーマポートごとに舞台背景やBGMが異なり、パークを一周するだけで海外旅行のような気分を味わうことができるのも醍醐味のひとつです。
中でも東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロントにある田舎の港町を舞台にしたエリア:ケープコッドは、穏やかな風景と温かい雰囲気が人気のエリアです。
私たちに癒しを与えてくれるケープコッドですが、実は悲しい歴史を抱えている村でもあるのです。
今回はそんなケープコッドの魅力をより一層知ってもらうため、バックグラウンドストーリーや村のプロップスに隠された秘密など、当ブログで今までご紹介してきた豆知識をまとめてご紹介していきます。
知ればきっとケープコッドの景色がより一層輝いて見えるはず。
アトラクションの待ち時間などにぜひご活用くださいませ!
ケープコッドは東京ディズニーシーの向かって左側、20世紀初頭のアメリカをイメージしたアメリカンウォーターフロントにあるエリアのひとつです。
アメリカンウォーターフロントには3つのエリアがあります。
賑やかで明るい雰囲気の上記2つのエリアとは対照的に、穏やかでのんびりとした雰囲気を味わうことができるケープコッド。
特に夕刻から夜はロマンティックな雰囲気へと姿を変えるため、カップルにもおすすめのエリアです。
ケープコッドはアメリカ・マサチューセッツ州のニューイングランドに実在する漁村ケープコッドとナンタケット島をモデルにして作られました。
ケープコッドにあるグリーティング施設:ヴィレッジ・グリーティングプレイスのQライン(待ち列)では、実際のケープコッドの地図を見ることができます。
現地の特産品であるタラやロブスター、クランベリーも、東京ディズニーシーのケープコッドで実際に見ることができますよ。
ケープコッドは町並みだけでなく、時代背景やそれに付随するストーリーも忠実に再現された町なのです。
さて、それではケープコッドのバックグラウンドストーリーからご紹介していきます。
ケープコッドのはじまりについては、ヴィレッジ・グリーティングプレイスにあるこちらのプロップスから読み解くことができます。
お話はこの土地がまだイギリスの植民地だった1860年まで遡ります。
ある日、この場所に2隻のイギリス船がやって来ました。
1隻目はイライアス・ウィンスロップ船長の船。
そして2隻目はジョシュア・ベッドフォード船長の船。
二人の船長は自分の名前を地名にしようと名乗り出ますが、どちらも譲らずに話し合いが長引いていました。
二人の船長を納得させるには、全く違う名前にするしかありませんでした。
話し合いで様々な名前が候補に上がるも、二人の船長を納得させる名前は一向に浮かびません。
ただ時間だけが過ぎていきました。
そして痺れを切らしたある女性が、水中のタラを指差してこう言いました。
「お願い、私たちはお腹が空いているの。
ケープ(岬)コッド(タラ)にしましょう?」
船長や群衆の人々はこれに大賛成。
この村はケープコッドと名付けられることになりました。
こうして新たな村として設立されたケープコッドですが、極寒の冬や度重なる嵐に台風、壊滅的な火事など村を維持するのは決して容易くはありませんでした。
ケープコッドの人々はそんな困難にも「アメリカ人の豊かな知識」と「決して諦めない心」を以て乗り越えてきたのです。
数々の困難を乗り越え、強い絆で結ばれたケープコッド。
こういったストーリーを知ると、村人たちの温かさがより一層深く感じられますね。
ちなみに、紹介文の文末にはこのようなことが書かれています。
Though we benefit greatly from the visitors who come here,
it is important to us that we preserve our way of life.
Which is why we are fond of saving,
“Come again when you can’t stay so long.”
この場所を訪れるたくさんの人々には感謝していますが、私たちの生活を維持することは何よりも大切なことです。
だからこそ、長期滞在はご遠慮くださいね。
短い滞在ならいつでも大歓迎ですよ。
自分たちの生活基盤を何よりも大切にしている様子がうかがえますね。
ここからはケープコッドにまつわる豆知識をまとめてご紹介していきます。
まずは村のバックグラウンドストーリーともつながりのあるお話からご紹介していきます。
ケープコッドはのどかな村ですが、実は悲しい過去もたくさん背負っている村でもあります。
たとえば嵐や台風でたくさんの漁師を亡くしていたり、独立戦争で使用された大砲が残されていたり。
ケープコッドにある石碑や看板を解読してみると、背景が少しずつ見えてきます。
たとえばフォトスポットとしても人気なミッキーのブロンズ像。
こちらの像はマサチューセッツ州のグロスターにあるグロスター漁師の慰霊碑をモデルに作られたもので、海で亡くなった仲間を弔うために建てられました。
近くのプレートには「船と共に海へ消えた者たちへ」という言葉が刻まれています。
このように、何気ないプロップスにも実際の歴史とのリンクがあり、村の背景を教えてくれるのです。
ケープコッドには他にも歴史を紐解くヒントがたくさん散りばめられています。
石碑を見つけた際は、ぜひ翻訳してみては?
ケープコッドの詳しい歴史については以下の記事でご紹介しています。
先ほど、ケープコッドには独立戦争で使用された大砲が残されていると触れましたが、独立戦争を彷彿とさせるプロップスは他にもあります。
その中でも興味深いのが、ニューヨークエリアとケープコッドをつなぐ橋:ハドソン・リバー・ブリッジにかけられたプレートです。
プレートはニューヨーク側とケープコッド側それぞれあるのですが、今回はケープコッド側のプレートを解読してみましょう。
ON THIS DATE IN
1774
THE BRAVE MEN
OF CAPE CODDE VILLAGE
FIRED THE SHOT
HEARD DOWN THE ROAD.
1774年、ケープコッドの勇敢な男たちと共に
一発の銃声が道の向こうまで響き渡った
アメリカ独立戦争が始まったのは1775年4月。
こちらのプレートはおそらく、独立戦争をモデルにオマージュしたものなのでしょう。
独立戦争は、どこからか聞こえた一発の銃声がきっかけで始まったというのは有名な話。
「一発の銃声」という言葉が、そんな史実を彷彿とさせますね。
反対側のプレートについては以下の記事でご紹介しています。
つづいては、ケープコッドにある建物を見ていきましょう。
ケープコッドは小さな村でありながら生活に必要な施設が揃っており、住人たちが協力し合って生きていることがうかがえます。
まずは村一番の大きな建物からご紹介していきます。
実際には、ケープコッド・クックオフというレストランになっている建物です。
こちらはタウンホール(村役場)。
村の中枢であり、村を盛り上げるイベントも開催している模様。
現在は、料理コンテストが開催されているようですよ。
赤い壁が目を引くこちらは、消防署。
建物の前に止まっている車は消防車です。
ちなみに、ケープコッドの消防団は有志によって結成されているのだとか。
住人の健康に欠かせない病院も、もちろんあります。
その名もC.W.スローン診療所。
スローン先生は一般診療だけでなく、産婦人科まで手がけています。
診療所の看板にはコウノトリが赤ちゃんを運んでくる姿が描かれているので、ぜひ探してみてくださいね。
ほかにもホテルや船の帆の修理工場、鍛冶屋などさまざまな施設があります。
ケープコッドは小さい村ながらも、皆んなで役割を分担して協力し合って生活しているのです。
以下の記事ではケープコッドのすべての建物を解説しています。
つづいては、お土産ショップアーント・ペグス・ヴィレッジストアについてご紹介します。
ダッフィー&フレンズグッズを扱い、「おばさんち」の愛称でも親しまれているこちらのお店。
ですが、店主のペグおばさんには悲しい過去が隠されています。
幼い頃から航海に憧れていたペグは、村の船長と結婚します。
ある日夫とともに船旅に出ることになり、夫の好物であるお菓子を作り出かけました。
そして船の上でお菓子を食べていると、突如大きなクジラが現れ、船を襲ってきました。
ペグは助かったものの、夫は帰らぬ人となってしまったのです。
それからペグは夫のことを思い続けながら、海の見えるこの場所でお菓子を作り続けています。
店内には船長が好きだったお菓子が飾ってあります。
ペグおばさんの気持ちを考えると、とても切なくなりますね。
店内には他にもペグおばさんの温かみを感じられるプロップスが隠されています。
中にはこんなものも…!
ペグおばさんは猫好きなんだとか。
猫モチーフは他にもある他、店内では昼寝をしている猫ちゃんの姿も見られるので、ぜひ探してみてくださいね。
さらに詳しい豆知識は以下の記事でご紹介しています。
風見鶏は、屋根の上についている風向計のことです。
ケープコッドには3つの風見鶏があるのですが、それぞれデザインが凝っていて面白いのでご紹介します。
まずこちらはタウンホールの風見鶏。
ヨットと旗をモチーフにしたデザインです。
つづいてはアーント・ペグズ・ヴィレッジストアの隣にある、パーソンズ・セイル・ロフトという船の帆の修理工場を見てみましょう。
こちらは2頭のクジラをモチーフにしています。
そして最後は消防署の屋根を見てみましょう。
モチーフになっているのは、なんとも可愛らしい猫。
猫がネズミを捕まえようとしている、なんともユーモア溢れるデザインですね。
風見鶏のモチーフとケープコッドのつながりについては以下の記事でご紹介しています。
ここからは、ケープコッドにあるグリーティング施設:ヴィレッジ・グリーティングプレイスにまつわる豆知識をご紹介していきます。
まずはQライン(待ち列)にあるこちらの棚から見ていきましょう。
こちらには灯台の守長を務めた精鋭の写真や、船舶同士の意思疎通に使う国際信号旗の一覧などが展示されています。
中でも注目すべきなのが、こちらのノート。
こちらにはケープコッドを訪れたさまざまな人物からのメッセージが書かれています。
中にはアラジンとジャスミン、アリエル、スクルージなどおなじみのキャラクターのメッセージも!
彼らもケープコッドに訪れた一員だったのですね。
詳しいメッセージや棚のプロップスについては以下の記事でご紹介しています。
ヴィレッジ・グリーティングプレイスは以前ダッフィーがグリーティングを行なっていたこともあり、ダッフィーにまつわるプロップスがたくさん隠されています。
その中から、ダッフィーのコスチュームコンテストである「コスチュームパレード」の受賞作品が展示されている棚を見ていきましょう。
こちらには4つのコスチュームが展示されています。
どれもかわいらしくてダッフィーに似合いそうです。
Qラインでは間近で見られるので、ぜひ注目してみてくださいね。
受賞作品の解説は以下の記事でご紹介しています。
ヴィレッジ・グリーティングプレイスではコスチュームコンテストのほかにも、ダッフィーにまつわるプロップスが隠されています。
たとえば切り絵やロープで作られたダッフィー、世界中にいるダッフィーの友達から届いた手紙や写真など、見どころはいっぱい。
こちらは切り絵で作ったダッフィーです。
なんとも可愛らしいです。
そしてこちらは世界中のダッフィーの友達から届いた手紙や写真です。
もちろん、日本からの手紙もありますので、探してみてくださいね。
隠れダッフィーなどさらに細かいプロップスは以下の記事でご紹介しています。
さて、ここからはケープコッドのお隣にあるニューヨークエリアとのつながりについてご紹介していきます。
まずは人気絶叫系アトラクション:タワー・オブ・テラーとのつながりについて見ていきましょう。
タワー・オブ・テラーとケープコッドをつなぐのは、アトラクションを乗車した後に通る通路にあるこちらの木箱です。
木箱には「GRAND BANKS CANNERY(グランドバンクス・カナリー)」と記載されています。
実はこちら、ケープコッドにある缶詰工場の名前なのです。
その缶詰工場とは、ヴィレッジ・グリーティングプレイスにもなっているこちらの建物。
タワー・オブ・テラーに積んであった木箱は、こちらの工場から出荷されたものなのです。
グランドバンクス・カナリーの近くでは、タワー・オブ・テラーにあるものとよく似たデザインの木箱を見ることもできます。
エリアを跨ぐ共通点を見つけると、ワクワクしますね。
タワー・オブ・テラーとケープコッドのつながりは以下の記事でご紹介しています。
最後は、ニューヨークエリアにあるレストラン:ドックサイドダイナーとケープコッドのつながりをご紹介します。
ドックサイドダイナーは貨物倉庫だった場所を改装して開いたレストラン。
そのため、店内には倉庫として使われていたときの名残であろうたくさんの積荷が残っています。
その中に、ケープコッドからやってきた荷物があります。
まずはこちらの2段に重ねられた木箱。
箱には「AUNT PEG’S VILLAGE STORE(アーント・ペグス・ヴィレッジストア)」と書かれています。
そう、ペグおばさんから届いた荷物です。
中身はお菓子のようですよ。
さらに、こちらには見覚えのある文字が書かれています。
「GRAND BANKS CANNERY(グランドバンクス・カナリー)」、あの缶詰工場からやってきた荷物です。
ここニューヨークの港から、世界へ出荷されていたのでしょうか。
そして最後は、荷物の上に乗っている小さな木箱です。
こちらは「MAYFLOWER BRAND CRANBERRIES(メイフラワーのクランベリー)」。
実は、クランベリーもケープコッドの特産品。
こちらの荷物も、ケープコッドから届いたものなのです。
先述したアーント・ペグス・ヴィレッジストアにも同じ箱があるので、ぜひ探してみてくださいね。
エリアを跨いでストーリーのつながりを感じられるのも、東京ディズニーシーの魅力のひとつ。
東京ディズニーシーに訪れた際には、こうした細やかな演出にも目を向けてみてくださいね。
ドックサイドダイナーの積荷については以下の記事でご紹介しています。
東京ディズニーシーのケープコッドにまつわる豆知識のご紹介でした。
実在する村をモデルに作られたケープコッド。
背景や細やかな演出に目を向けると、さらに世界観に没入して楽しめるはずです。
ケープコッドに訪れた際は穏やかな風景や心地よいBGM、そして住民たちの温かさにも触れてみてくださいね。
それでは、よい冒険を!